Love Slave
「もか、お前が行け」


「へっ・・・・・!?」


腕を引っ張られ、強制的にカメラの前に立たされる。映像に自分が映っていることに気付くと血の気が引く。


(私・・・マジかいな!?)


「えーっと、庶務の・・・早乙女もとかさんでーす・・・・」


日向先輩も動揺しているようだが、とりあえずカメラが回ってしまっているので進める。


「ちょっと、大和様じゃない!!」


「裏切り者は引っ込め!!」


生徒会のグルーピーは即座にブーイングする。もちろん、その声はここには届いていない。でも、感じ取ることは出来る。
私が出てきたことで、みんな気分悪くなってるだろうなって。


「早速インタビューしてみましょう!今話題の生徒会紅一点、今回会長と副会長との三角関係疑惑が浮上しておりますが、真相は!?」


ずいずいっとマイクを向けられる。


「あ・・・いえ・・・・」


どうしよう、何話していいのか分からない。会長がみんなやってくれるんだと思っていたのに・・・・・。
不安な眼でちらっと見ると、会長はドSな眼で私を観察していた。


テレパシーで「何か言ってみろ、何か面白いこと喋っとけ奴隷よ」と言っているように感じた。


(人の気も知らないで・・・・・)


「あのー、このままだと放送事故になるんですけど」


日向先輩が耳打ちしてきた。ハッとして目線をカメラに向ける。やる気を感じられたのか、バシッと叩いてきた。


「どうやら緊張しているようです。ちなみに、今分かったことなのですが、ほぼ平らです」


「そんなこと報道しないでください!!」


何処まで恥をかかせる気だ、この人も!!


「ははは、撫子ちゃんだけじゃ心細いから、僕も混ざっちゃっていいかな?」


新聞部員達がざわめきだす。


噂の二人が揃ったと。
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