Love Slave
「あんな無口で無愛想な男の何処がいいんだか」


「別にそういうつもりじゃ・・・・あっ!」


「何だよ」


「い、いえ・・・・何でもないです」


今、椚先輩の大きな背中が見えた気がした。
すると、会長はため息を吐きながら頬杖をついた。


「哀しいと思わないか、あの話。好き同士なのに身分の違いだとかそういうので別れさせられるなんて」


会長がかなり真剣な顔つきでロミオとジュリエットを語っている。モンタギュー家とキャピレット家は敵同士。二人は駆け落ちするけど、策略により、二人とも死を選んでしまう。


(でも、傍から見たら私達も身分違いだよな・・・・)


あの悲劇と比較するのもどうかとも思うのだが、一般家庭と上流家庭。貧富の差がありすぎ。御曹司と貧乏人・・・・最初の頃は反対派も多かったけど、今は大方認められつつある、と思いたい。


「お前は?好きな人のために死ねるか」


「はい!?」


何だか古臭い少女漫画の内容みたいになってきたぞ。


「えーっと・・・・」


戸惑っていると、会長がかなり真剣な眼差しを送ってきた。
本気なのか、この人。


「そんなの、恐くて出来ないですよ。それに、実際にその状況になってみないと・・・・」


「んじゃ、試してみようか」


「へ・・・・・・・!?」


突然、会長が手摺に足を乗せ、身を投げ出した。


ザザザザザザ!!


そのまま真っ逆さまに落ちる。ここは3階、高い位置にいるのは確かだ。


「嘘・・・・そんな、会長!!」


手摺を掴んだまま、腰が砕ける。
無茶苦茶なことをする人だとは思っていたが、そこまでやるか?
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