Love Slave
「やだ、航一朗じゃないの!」


「繭ちゃん?繭ちゃんなの??」


「久しぶり、元気だった!?」


繭(マユ)と呼ばれた女性は副会長に勢いよく抱きつく。


(え・・・知り合い?)


「ということは、アンタは要でしょ?」


「・・・・・・・」


「相変わらず無愛想君ねぇ」


ゲラゲラ笑いながら、椚先輩の背中をバシバシと叩く。


「繭さん、お久しぶりです」


「アル!アルよね?いつ見ても可愛いわぁ」


今度はおばさん風にアル君の頭を撫でる。


私以外、全員知り合いなわけ?


(すっごい置いてけぼり感・・・・・)


「いつ頃日本に戻られたのですか?」


「昨日ね。飛んできちゃった♪・・・・って、あれ?生徒会役員に、女子メンバーなんていたっけ?」


今さら私の存在に気付いたのか、この人。


「繭ちゃん、生徒会HP見てくれなかったの?」


副課長が必死でフォローしてくれた。


「ああ、例の初生徒会メンバーね」


気だるそうに思い出していた。
ちょっと、イラッ。


私の顔をじろじろ見る。


「地味子ねぇ、ほほほ」


「あ、あのぉう・・・・・?」


地味子で悪かったな。何さ、その高飛車でお嬢様的態度は。


「紹介が遅れたわね。月光学院生徒会長・三枝繭(サエグサマユ)。三枝グループの会長の娘よ」
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