Love Slave
次々に乱入者がいなくなる。


「繭様、我々は・・・・・」


「・・・いい、追いかけなくても」


spも撤退する。


「帰ろっか」


「うん、そうだね」


月光学院の生徒もこの場を去っていく。

「行っちゃったね、みんな」


「・・・アンタも出て行けばいいじゃない」


講堂はガラリとし、残ったのは・・・・繭とマダ先生だけとなった。


「いいえ、お嬢様一人残すわけにはいきませんから」


キザ発言し、煙草に火をつける。


「ちょっと、全館禁煙なんですけど」


「おっと、これは失礼」


持っていた携帯灰皿で煙草を揉み消す。


「相変わらず好きだね、煙草。繭、嫌いだって言ったじゃない」


「一度吸ったらやめられないんだよな、これが。・・・・・嫌いなのは、煙草だけ?」


「・・・・煙草もアンタも大嫌い!何さ、みんな繭を捨てて・・・・」


「違うな」


「何が違うっていうの?」


ちゃらんぽらんな顔が真顔になる。


「捨てたんじゃない、選んだんだ。自らの手で。それに俺だって君を捨てたんじゃない。身を引いてあげたのさ、君のために」


ずっとつけていた眼帯を外す。
繭の長い髪が風に吹かれる。


怪我をしていたから眼帯を付けていたのではない。


彼の眼は・・・・オッドアイなのだ。
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