Love Slave
ウェディングドレスで走るのは辛い。
今日高級品なのに、泥だらけになってしまった。


「走りにくそうだな」


会長はニヒルに笑う。


「仕方ないじゃないですか!ドレスで走るなんて、一般ピープルにはないことで・・・・」


「一般ピープルか・・・・それ、脱却しないか?」


「へ・・・・・?」


ひょいっと会長は私を軽々とお姫様抱っこした。


「ちょっと・・・・」


「キャー、大和様大胆っ」


「大和、撫子ちゃんを持ち上げて何処行くつもりだ?」


「・・・愛の逃避行か」


「うるせー、どんぐり小僧。寄るところがあんだよ」


「学校に戻るのではないんですか」


会長の口角が斜め上に上がる。


「・・・・・後で合流な」


「ちょ・・・・ぎゃあああああ」


みんなから離れて行く。


「下ろしてくださいよ、会長!」


「お前の足だと陽が暮れるっつーの」


一体何処へ連れて行くつもりだ、このサディスト。


(マジで誘拐か・・・・!?)
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