Love Slave
パシ――――――――ン


乾いた音が響き渡る。会長は高級大理石に何かを叩きつけた。
革製で、棒の先に長い紐がついている。テレビか何かで出てきたサーカス団の人が持っているのを見たことがある。


「・・・・何ですか、それ」


「鞭だけど?」


「何で鞭なんですか!?」


「愛のムチって言うだろ♪」


それ、絶対意味的に間違ってると思うのですが。アンタはSMの女王ですか。


「まずは小手調べにこれを解け」


渡されたのは国語・数学・英語のテスト。内容はどうやら、中学の復習問題のようだ。
市販されているものではない、会長独自で作ったものらしい。


「制限時間は120分だ。よーい、始め!」


ストップウォッチを押し、突然始まった。
120分ってことは1科目40分で解けということか。会長は私の少し前にどかっと座る。もちろん、鞭を持って。
叩かれるかと思ったけど、それはさすがにしなかった。


問題をざっと見ると、国語は漢字・ことわざと四字熟語・文章問題、数学は計算問題・文章問題、英語は単語・文法・会話文。その中でリスリングの問題もあるのだが、CDではなく、会長自らが問題文を読んだ。ネイティブイングリッシュでとても発音が綺麗だった。


「はい、終了~」


ばたっと机に崩れ落ちた。
そんな様子を会長は見向きもせず、すぐに丸つけ作業に入る。が、開始早々頭を抱え込んでしまった。


「お前な、この問題にこの選択肢はないだろ。適当なものを選べというのは、そういう意味での適当じゃないんだぞ」


会長に指摘されるまで、本気でそっちの意味での適当だと思っていた。


「この答えだと話の前後がおかしくなる。ちゃんと文章読んだか?」


目で追っていただけ。私は何も言えなかった。


パシッ!!


「俺を怒らせるな・・・・・!」


会長もとい、ご主人様の眼が血走っていた。私の周りに鞭が飛び交う。
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