Love Slave
本当にサーカスのために教育され、囚われた黒豹みたいだ。いつ全身アザだらけになってもおかしくない。


(そんな物騒なもん、早くどけてよ~)


ギュッと手を握りしめて、必死に耐える。


「数学は空欄が多すぎ。計算は前半しか解けてないし、文章に至ってはほとんど解いていない」


「嫌いな科目は何ですか?」と訊かれたら即答で「数学」って応える。実力テストでも最も低かった科目だ。
簡単な計算ができても、応用は出来ない。


「もか、文章問題は諦めているな?」


ギクッとする。文章なんて読む気はしない。


「それ以前に、基礎も出来てなきゃ応用は出来ないな」


ズバッと切り捨てられた。


英語の問題。日本語も上手く使いこなせてないのに、英語なんて出来るわけがない。


牛⇒【gyu】

空⇒【ski】


「誤字もあれば大きな間違いもあるな」


呆れたように鼻で嗤った。他の科目と同様、ピッピッとレ点を付ける。


「現在形と過去形を一緒にするな。よく分からねぇ文になってるぞ」


未だに不規則変化動詞とか理解できない。
会長は赤ペンを机に置く。テストを私に返す。


結果は、国語34点、数学19点、英語38点。もちろん100点中。見事に惨敗。


会長はふう、とため息を吐きながら言った。


「お前、このままじゃ大学進学不可能だな」


「大学に行くつもりなんてありませんよ」


「じゃあ卒業したら就職か?将来の夢とか目標とか決めてるのか?」


「別に・・・・ないですけど」


口がもごもごとなる。


将来の夢とか目標とか決めたって意味のないことだと思ってる。たとえあったって叶わないで終ってしまう。叶ってもそれが幸せとは限らない。


夢なんて所詮は、幻なのだと。
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