Love Slave
カツカツカツ・・・・


長い黒板を相手に先生は黙々と図式とその計算を書きこむ。


「・・・・ですから、こうなります。ここのところはテ―――――」


クラス全員が真剣に耳を傾ける。その姿に数学教師は少しビビった。


「・・・すごいわね、どのクラスも。『テ』って言葉が出た途端にマジな顔になるんだもん。それだけじゃなくて、授業も積極的だわ」


確かにそうだ。このポカポカ陽気、大抵授業中には昼寝をしたり、携帯いじってたり、教科書を盾にして漫画を読んでたりしているのに。


そういえば、担任も出席をとった時に「今日は全員出席」と驚愕していた。
クラス対抗の賞金獲得に向けて、みんな真剣なのだ。



キーンコーンカーンコーン・・・・


パタパタパタ・・・・


「ああ、もとかちゃん!」


生徒会棟に行く途中で副会長と遭遇する。まだ時間じゃないから大丈夫だよ、と言われて走るから歩くにチェンジする。


「また遅刻はやばいと思って・・・」


「ははっ!そうだね」


私は副会長を上目遣いで見つめる。すると、即座に見つめ返してきた。


「なあに?僕がそんなにイケメン?」


「ああ、まあ・・・・・」


何言い返したらいいのやら。見かけによらず、自意識過剰ナルシストなのかもしれないな、この人。


「そ、そういえば、クラスの子たちの授業参加率がすごいんですよ!やっぱり、みんな賞金目当て何ですかね?」


「んー、僕のクラスでもそうだよ」


「何で会長はあんなゲームを考案したんでしょうか・・・・」


「『あんなゲーム』じゃないよ。これを見てごらん」


持っていた書類を見せられた。


目安箱、またの名を如意宝箱に入っていた要望書だった。
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