Love Slave
エレベーターが展望台へと運んでいく。


チン!


扉が開くとまた人だかりが見えた。この観光名所、休日だから余計混むのは当たり前か。
と、思ったら。


「草薙大和様よ!!」


「きゃー、こんな所で会えるなんて・・・・」


みんな会長が通る道を開けてくれた。それに応えるように会長は笑顔で返した。もちろん、Sではない笑顔で。


「お前も来いよ」


「は、はいぃ・・・・・」


呼ばれると、視線が痛くなる。有名人とデート、でも会長にとってはペットの散歩としか思っていなさそうだ。
周りからもデートというよりも付き添いって見られてるみたい。


「うわー・・・・・・」


天気がいいおかげで、街が一望できる。遠くのほうで富士山もハッキリ見える。ちょっとラッキーかも。


「ここも綺麗だけどさ、『あそこ』と比べたら・・・・・」


「あそこって?」


「おっ!神社があるから、お参りに行くぞ」


展望台にある神社。なかなか神秘的。
一瞬、会長の表情が少し曇ったように感じた。気のせいか・・・・?
『あそこ』については深く語らず、二人でお参りする。少なからず、見物客もいる。


(とりあえず・・・明後日のテスト、上手くいきますように)


今までの努力を無駄にしたくない。缶詰にまでされたんだもん。
手を合わせたまま、会長をチラ見する。
結構真剣な表情をしている。かなりマジな願い事をしているらしい。


「それじゃ、戻るか。あと2日・・・遊びはここまでだ、ラストスパートだぞ」


いつもと同じサディスト全開になる。手をボキボキ鳴らしながら、私に攻め寄る。


結局こうなるか・・・・。もっと余韻に浸りたかったけど、そうもいかないか。


でも、会長が言ってた『あそこ』って何のことだろう?それから、マジ顔で願ってたことも気になる。
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