Love Slave
「おいおい、こんな男が好みなのかよ」


その女の彼氏と思われる男が反論する。


「いいじゃん、アンタと比べたら月とすっぽんよ」


彼氏はムッとした。それを気にせず、女は会長を誘惑する。私の事は完全に無視。


「そんな女放っておいてさ、どっか行こうよ~」


猫撫で声を出す。その時、女は彼氏に身体を後ろに放りだされてしまった。
会長の胸ぐらをつかみ取り、眉間にしわを寄せているせいで皮膚が飛び出ている。ガラが悪く、何処かのヤンキーみたいだ。


「おいおい兄ちゃん。有名人かなんか知らねぇが、ちょっと顔がいいからって調子こいてんじゃねぇぞ、コラ!!」


「アンタ、やめなさいよ!!」


「そうよ、生徒会長様に無礼だわ!!」


いじめっ子グループの女達は彼氏を押さえようとする。私は足が立ちすくんだままで、何も出来なかった。


ここから早く逃げたかった。


ドゴォッ・・・・・・


「うぐっ・・・・・・・」


一瞬の出来事だった。会長が彼氏に向かって鉄拳を喰らわせた。たった一発で彼氏はノックダウンした。辺りが騒然となる。


そんな状況にも関らず、会長はいつもの低音じみた声で言い放つ。


「頭が高いぞ、雑魚。それにな・・・・・」


ぐいっと肩を寄せつけられる。


「俺の女に文句付けるな、この醜女!!」


一言二言だが、迫力満点な会長の発言。周囲が怯んだその隙にとばかりに私の腕を引っ張る。


「走れ!!」


都会の中、人ごみを切り抜けて全力疾走する。


会長はハイテンションみたいだけど、私は乗れなかった。
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