Love Slave
息切れしながら人通りの少ないところに出る。運動不足のせいで脇腹が痛い。
そんな中、会長は大口を開けて笑っていた。


「ははは!!可笑しかったな、あれ」


かなりつぼに嵌ってしまったらしく、笑いが止まらなくなっている。


(何で・・・笑っていられるの・・・・?)


私の心境は複雑だった。まさかこんな所で奴らに会うなんて、私をどこまで追いつめたら気が済むの?


思い出すたびに息苦しくなる。


「うーん、このまま帰って試験勉強するのも勿体無いな。・・・・・もか?」


「どうして、どうして先輩は聞かないんですか?」


「はぁ!?」


一体何なのさ、この人は。成績が悪いから泊まり込みで勉強しろって言ったり、今日はデートだって言って誘ったり。
挙句の果てには奴隷とペットときて、俺の女だって?


どれだけ人が迷惑かけてると思ってるのよ!?


「私の事、可哀想って思ったからあんなこと言ったんですか?」


「お前、何言って・・・・・」


「もう、会長に振り回されるのはごめんです!!・・・・一人で帰れますので、失礼します」


私は頭を深く下げて、その場を突っ走る。さっきまで走ってたから速度が落ちている。会長が私を呼んだ気もするけど、振り向かなかった。会長も私を追いかけようとしなかった。


(最っっっ悪!!)


そのまま地下鉄に乗って帰路につく。生徒会棟には戻らず、2週間ぶりの我が家へ。




件名:無題

今すぐ集まれ


私が絶望していたその頃、会長は生徒会メンバーにチェーンメールを送っていた。
電話を受けたメンバーは尋常じゃない会長の様子に、すぐに聞き入れた。
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