君を抱きしめるから~光、たずさえて~




 なっちゃんの一言にボクはしびれた。そうだ! その手があったか。うん、それははっきり、アリなんじゃあないだろうか?



「よし、ボクにまかせて」



 なっちゃんは異次元に移動するのに特化してるらしいけれど、ボクは違う。


 ボクは、一度行ったことのある場所に、つまりそれがたとえ異次元空間であっても、そこに移動することができる。


 今それをすれば、一瞬だけだけどボクの姿はうつつから消える。


 まあ、コンマいくつの世界だけど。


 今なら使っても問題ないだろう。


 いや! ここで使わなきゃ、だいぶ無駄な『力』だってことになっちゃうぞ。


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