君を抱きしめるから~光、たずさえて~
あの、恐ろしくも不気味な体験が第一に、そうすべきだと教えた。
「さっきからご立派なしゃべりだけど、君たち本当は何年生なの?」
「ボクは一年生です。こちらは二年生……いずれ正式にお礼をさせていただきますので、アドレスを教えてくださいませんか」
頭をさげると、そのひとは決まり悪げに、ジャージの後ろポケットから生徒手帳を取り出して見せてくれた。
それはボクが見慣れた色、形。
同じだ……一年生のものと。
「同じ学年……一年生? とってもそうは……」
見えない、みえない、みえない。
「このジャージは兄貴のだ。ここの卒業生でな。なんだか一晩で身体が大きくなったもんだから、学ランに袖も通せなくなってたんだ」