勿忘草

目玉焼きを椅子に座った総護君の前に置き、
トーストも食べる?と尋ねる。


「食う」


そう答える彼に今焼けたトーストにバターを塗って、
皿にのせ、総護君に手渡す。


「はい」



「おぅ…わりぃな」





私も自分の分をテーブルに運び、椅子に座る。





「いただきます」


焼きたてのトーストを食べる。

サクッとしていてとてもおいしかったけれど、
やはり次はもっとちゃんとした物を作ろうと、密かに心に誓った。



彼はトーストを頬張りながら、リモコンでテレビを点けた。



『雲一つ無い空で、とてもいいお天気ですね!今日は一日中この天気でしょう。気温は30℃。日射病に気をつけましょう!』


綺麗なお天気お姉さんが今日の天気を伝えている。





今日は水曜日?




テレビの画面上に書いてある日にちを見て、ふと疑問に思った。





「総護君、今日学校はないの?」



平日なのに学校は行かなくていいのかな…


何かで休みとか?





「サボった」



事も無げに林檎を食べながらそう答えた彼に、私は驚く。





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