加納欄の唇 シリーズ27
次の日になり、パーティーは始まっていた。
毎年自由参加のパーティーだが、今年は参加者が、各方面から来ていた。
なぜなら、ビンゴゲームの所に、とても小さく。
【トリプルビンゴになった人は、祥子さんと食事が出来る権利が当たるかも?】
と、わけわかんない言葉が付け足されていたのだ。
だいたい、トリプルビンゴになんかならないだろうに。
しかも、祥子さんと食事が出来る権利って。
さらに、当たるかも?って。
当たんねぇだろ!!!
って、突っ込んだけど。
予想以上に、今年のビンゴゲームは盛り上がりをみせた。
結果。
トリプルビンゴを当てた人は、誰1人いなかった。
ダブルリーチとかトリプルリーチとかは、いたんだけどねぇ。
あたしは、この盛り上がりを見て。
あたしを使ったイベントいらないじゃん!!
当たらないビンゴカードを握りしめながら、思い続けていた。
ビンゴゲームが終わっても、大山先輩の姿は見えなかった。
大山先輩……。
早く来て……。
時間だけが過ぎて行き、案の定、祥子さんは、いつもの如く酒に呑まれ、グタグタになっていた。
祥子さんの介抱に手を妬かされ、最後のイベントになっていた。
突然ライトがあたしに向かって当てられて、司会の鮎川さんに声をかけられた。
「欄ちゃん、ステージに上がって」
あたしは、思わず大山先輩を探した。
辺りを見回しても、大山先輩の姿はなかった。
あたしは、仕方なく、祥子さんを高遠先輩へたくして、ステージに上がった。
「さて、毎年ビンゴゲームだけですが、今年は、最後にもう1ゲーム考えました。題して、諸君は、加納欄をどこまで知っているか?という簡単なゲームです」
あたしをどこまで知ってるか?
あたしを知ってるって……。