Double Persondlity
少しして優奈は外へ戻って来た。



「さぁーってこれからどうしようかな」



夜月は優奈の方を
軽く見ながら言う。



「用があるって言ったじゃない。そんな事よりどうしてまた出てきたの?」



「やらなきゃならない事があったから」



「裕也の身体を使ってまで…」



「裕也……?お前いつからそんな呼び方してんだ」



「別にいいでしょ。それより答えてよ」



「アイツの事が心配か?」



「心配だよ。裕也は先月退院したばかりなんだよ。なのに……どうして」



「そんな事、俺だって知ってる。あの時は痛かったな…お陰で久々に外に出れたんだからな」



「今度は何が目的なの?」



「目的?そーだなぁ…お前と仲良くしようかな?お前さ俺の事嫌いだろ」



「あなたは嫌い」



「お前が好きなのはアイツだからな。あんな男のどこがそんなにいいわけ?俺だっていいだろ…お前の好きな裕也と同じ顔してるんだから………ほらこうすればアイツみたいに見えるだろ?」



少しだけ夜月は
目つきを変えて見せる。



「見えないよ」
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