Double Persondlity
「久し振りだな…朱里…。お前に会いたかった」



夜月はゆっくり歩いて
朱里の目の前に来て言った。



「……や…夜月くん…」



「そんなに驚く事ないだろ。俺はたまたまここに飲みに来ただけで偶然お前に会ったわけだ」



「そ…そうなんだ………あの夜月くん…もう傷大丈夫?」



「ああ。元々大した事ない。手術の跡ははっきり残ってるけど」



「いつ退院したの?」



「一ヶ月前くらい」



「……お見舞い行けなくてごめんなさい」



「別にいい。見舞いなんて来られても……それより俺はお前にもう会えないかと思った」



そう言うと夜月は急に
朱里をきつく抱き締めた。
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