僕らと一番星
俺たちは教室へと向かった。


たくさんの女子がこっちを見てるのが分かる。


それは俺らに向けられた憧れの視線と優里に向けられた妬みの視線だった。


と、同時に


たくさんの男子もこっちを見ている。


それは俺らに向けられた妬みの視線と優里に向けられた憧れの視線だった。


でも優里はそんなこと気にせずどんどん先を歩いていく。


…いや、気づいてて速歩きしているのかも。


「…着いた。」


優里の声を合図に俺と拓馬は足を止めた。


「3組か…」


拓馬が呟く。


「開ける…よ?」


恐る恐るドアに手をかける優里。


そう、これが俺ら3人の1年で最も嫌な瞬間だ。


学期の始まり、クラス替えをしたクラスに入る時が一番嫌いだ。


優里が意を決してドアを開けた。
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