時空奏者
ハルカが見上げた先にいた人は
綺麗な茶髪に
切れ長で綺麗な目。
スラリと長い身長は
180センチくらいあるのだろうか。
「どけってカグラ!!」
睨みつけるエレン。
それをちらりと見てから
頭をよしよしと撫でるカグラ。
「エレン様!!」
がぶっとカグラの手を噛み
ついでに足を踏みつけるエレン。
「大人しくしろよエレン」
カグラの綺麗なみぞおちパンチは
見事クリティカルヒット。
そして前のめりに倒れるエレンを抱きとめ
リンに引き渡す。
「ありがとうございます!」
「カグラのばかー!
死んじゃえっー!」
ズリズリとリンによって
引きずられていくエレン。
その声は恨めしそうだった。
「リンにその
捻じ曲がった根性と性格
叩き直してもらえ」
「カグラもなっ!!」
カグラの言葉を聞いて
軽く感動したハルカ。
―――あの、悪魔を
よく分かってらっしゃる…!!
「さて、ハルカさんは
少し俺と話をしましょうか。
これからの事とか
今すぐにでも帰れるのか、とか
色々と気になってるでしょうし」
ハルカはこの人に付いて行っても
平気なんだろうかと考えたが
すぐに止めた。
―――だって、エレンよりは
ずっと、ずぅっと…!
落ち着いて話ができそう!!
「それから、あの2人は
ほかっといて下さい。
どうせリンとエレンは
あと3日くらいしないと
話できないだろうし」
ハルカがもう1度
リンとエレンを見ると、
「ですから、……聞いてますか?」
リンのお説教タイムに
突入していた。