時空奏者



あぁそういえばと
カグラは付け足した。


「俺はカグラ・ナイト。
ハルカの呼びやすいように
呼んでくれて構わない」


カグラは
さっきまでの接客モードを終了させ
素の自分を出していく。


…やっぱり慣れないし。
こっちの方がやりやすい。


その変わりように
ぽかんとするハルカ。



―――なんだろう。
カグラさんってあんまりエレンと
変わんない気がしてきた。



「ここは無理だし、上で話しするか。
おい、エレン。


リンを殺すなよ?」



にこやかな彼の表情とは

遠く離れた物騒な言葉。


ハルカが
恐る恐る後ろを振り向けば



「…っひ!!」



エレンが華麗に関節技を決め
踏み倒してる姿だった。



「さて…、行くか」



何でもないことのように受け流すカグラ。



まあ、実際にこんな事で驚いてたら
エレンの傍になんかいられないわけなんだが


ちょっとハルカには刺激が強かったようだ。



「…ほら、早く来いって」



「あ…!ま、待って!」



こんな状態のリンを
はたして置いていってもいいのか


しかしカグラに付いていかないと
自分の身が危ない。

究極の洗濯の末


勝ったのはカグラだった。



―――ごめん!リン…!!



カグラが足を進めた先は

さっきエレンが教えてくれなかった
隠された左側の場所だった。





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