時空奏者
目を開けると広がるのは闇。
道を印すように、街灯のようなものがまばらにある。
「リン?」
そして、リンがいない。
「自分は、ここまでです。
戻るには真っ直ぐ行ってください。
決して、下は見ないで下さいね」
「…っ!リン!!」
ぷつ、と途絶えてしまうリンの声。
―――いや、どうしろと!?
道わかんないじゃん!
しかも真っ直ぐって、どこまで!?
でも、行くしかないんだよね!!
「怖くない、怖くない…」
一歩前に足を踏み出すと、プニプニとした感覚。
どこからか、不気味な笑い声が聞こえる。
「何!?なんなの!?」
見回しても、誰もいない。
けれど、鳴り止まない笑い声。
不安と恐怖がハルカを襲う。
「も…嫌だ!いやだぁー!」
一気に走り出すハルカ。
涙で歪む視界。
「やだ、やだ…!誰かっ…!!」
遠くに見えたのは、扉。
―――出なきゃ…!!
早く出ないと、おかしくなりそうっ…!
「うぅ~…」
扉にやっとたどり着き
へたれそうになるのを必死でこらえる。
やっとの思いで扉を押し開くと
「…やあ」
「誰っ!!?」
知らない男の子が笑って立っていた。