Time is gone
 僕は手持ち無沙汰から、枕元の時計を取り上げた。微かに、消臭剤の匂いがした。
 この時計が、歩むべき道を照らしだす。
 僕はなぜか、そう思った。
 一向に訪れる気配のない眠り。何もしなければ湯水のように湧き出る不安。それを払拭するように、僕は時計をもてあそんだ。そして自然と、時を刻まぬ時計のリューズを摘み、回し始めていた。
 一回転、二回転、三回転……。
 いつの間にか僕は、眠りの世界に引き摺り込まれていた。
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