君まで2ステップ
「梨亜がかえって迷惑かけちゃってごめんね、晴輝。
ところで…ホントに熱は下がったの?」

「あ、はい。
あの…梨絵さん…、ちょっと聞きたいことが…。」

「何かしら?」

「梨亜って何時くらいから来てたんですか?」

「んー…コンパに行く時間よりかなり早かったから…4時くらいかな?」

「え…コンパ…?梨亜、今日予定あったんですか?」

「うん。今日は大学の友達とクリスマスのコンパがあったんだけど、なんかあたしが晴輝の状態言ったら、カーディガン持って家を飛び出したの。」

「予定…あったんだ…。じゃあなんで俺のとこなんか…。」

「ちょっと気にしてたみたいよ?
あの子、意地っ張りだし全然素直じゃないから言わなかったと思うけど…
自分のせいで風邪ひかせちゃったんじゃないかとか…思ってたみたい。
あの子、閉じ込められたエレベーターの中でも自分のことしか考えてなかったでしょ?
そういうのを、今回、ちょこっとだけ反省したみたいよ?」

「そんな…別に俺はそんなつもり全然なかったし…。」

「うん。それは梨亜も分かってると思うわ。
晴輝が自分を責めたりすることなんてない、ってね。
さて、長話はこのくらいにして、早く帰ってゆっくり休みなさい?」

「あ、はい…。じゃあ…。」

「おやすみ、晴輝。」

「おやすみなさい。」




俺は梨亜んちの玄関のドアを閉めた。

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