君まで2ステップ
もう…晴輝はあたしが知ってた『男の子』なんかじゃない。
普通に『男の人』だよ。
力だって身長だって、もう負けちゃったし、きっとこの先一生敵うことがない。

あたしがこだわってたモノなんて、晴輝は全部クリアしちゃってる。
年下だけど…。ってか認めるのはすっごーく嫌だけど…
晴輝の精神年齢は…少なくともあたしよりはずっと年上…だとも思う。
何て言うか…陽パパと似たようなとこ…あると思うし。


晴輝はいつだって真っすぐだった。いつだって、あたしだけを見つめててくれた。

こだわってたのはあたしの方。素直じゃなかったのもあたし。
本当のことを見ないフリしてた本物のバカはあたしだよ。
あたしは本当に何も分かってなかった。


どうしてあのエレベーターの中で、晴輝と一緒にいて苦しくなったの?
顔が熱くなったりしたの?

なんでクリスマスイブなのにコンパを蹴って、晴輝のとこに行ったの?

どうして…
好きな人ができたって言ったときの、晴輝のあの表情を見て、なんだか胸が切なくなったの…?

なんで…
啓介さんに襲われそうになった時、晴輝を呼んだの?






そんなの、答えはとても簡単だよ。
バカだね…あたし。


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