幕末異聞―弐―
――親切心
――同情
――正義
――善意
――偽善
どんな感情を乗せていたにしても、結果は駒として使えなくなった。
ただそれだけの簡単な話なのだ。
「土方君は最後まで君の除隊に反対していた。しかし、私が押し切った」
――赤城楓。明日、七月三十日の正午をもってして除隊の命を言い渡す
理由は聞かなかった。
ろくな理由などありはしないから。
女だから。
無駄死にさせたくない。
その程度の下らない理由だろう。
死への価値感なんて人それぞれ違うはずなのに…。