幕末異聞―弐―
「そうじゃないよ楓。力の話をしてるんじゃないんだよ…。皆は隊士としてじゃなくて赤城楓に此処にいて欲しいんだ」
「何…言ってるのか、わからん」
(隊士としてじゃなく?うちには力意外に無いのに何言っとんのやこいつら…)
「楓の価値は力なんかじゃないって言ってるんだよ」
潤む目から零れ出ようとするものを懸命に押さえ込む藤堂が理解できない楓は、答えを求める子供のように四人を見回す。
「それがわかんないようじゃ、ここから出すわけにはいかないな。そんなんじゃ普通の生活ができるわけない」
そっと赤茶けた色の小さな頭に手を添えた永倉は、眉を八の字に寄せた。