恋をはじめます。
キーンコーンカーンコーン・・・

「えー・・・それでは、自己アピールを書いた人から帰って良い。」
「「はーい」」

・・・自己アピールゥ!?
どうしよ~・・・

トントンッ

ふいに肩を叩かれ、びっくりして跳ね上がる。

「は・・・はぃぃ!!」


思わず声が裏返ってしまった。

ひゃ~!! 恥ずかし~!!


「ぷっ! んな驚かなくたって・・・ なぁ、なんか書くもん貸して?」


わぁ・・・!!! すっごいカッコいい人!


「ど・・・どぅぞ・・・」


2番目にお気に入りのシャープペン。


「サンキュッ♪」

きゃー!!! なんかめっちゃカッコいい!

笑顔がまぶしいよ・・・

って・・・んん!?

ひ・・・ら・・・さ・・・わ?

平沢? どっかで聞いたよーな・・・。

平沢っ!! 平沢って・・・あの平沢!?

げっ!! 私の隣なの!?

通りで女子達の視線が痛いわけだ・・・。


「・・・はぁ」

よりによってこんなカッコいい人の隣。

嬉しいけど、怖いな。

なんだか複雑なキモチ。

思わずため息。

「ん? どーした?」

ビクッ!!

「あー・・・えと、けけけ・・・消しゴムを忘れてしまって!!!」

あー!!!違うのにっ!!!

「ん」

右から伸びてきた腕。

「へ?」

「使えば?」

その手には、小さな消しゴム。

角が削れて丸くなってる。

「・・・ぁりがとッござぃます・・・!!」


私は、ペコッと小さくお辞儀をした。

う~・・・!! カッコ良すぎて、まともに目があわせらんないよぉ~!!!

なんだか調子狂う~!!


そんなあたしに追い討ちをかけるように、
平沢クンは2度目の笑顔とピースをくれた。

ドッキーーンッッ 

ズキューーンッッ

その笑顔に撃沈。


山本さくら。高校入学1日目・・・恋、はじめちゃいました。





 




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