カジュアルロンド
カナがいるかもしれない。
淡い期待を抱きつつ、3日ぶりにゲームの世界にいってみた。

だけどオンラインのユーザーリストにはカナの名前はなく、メールもきていない。
やはり、もう二度と僕の前には現れないかもしれない。

しばらくゲーム内の掲示板を眺めていると、ふいに1対1のメッセージがきた。
盗賊の『ARON』からだ。

「よお!元気していたか?今、どこよ?」
「都の銀行横」
「お前のこと探している子がいるから、今そっちいく」
「え?探している子?」

いったい何のことだろう?

しばらくして、盗賊『ARON』は『伝書鳩』という見知らぬ女魔術師を連れて現れた。

彼女は僕の周囲をグルグルと廻りだす。

「こいつが、君の探していた剣士だよ」
『ARON』が言うと、『伝書鳩』は口を開いた。
「おはつです~私、カナのリアル友達です。探しましたよ。やっと会えた~」

僕は目を疑い固まった。
カナのリアル友達だなんて、すぐには信じられない。

『ARON』を見ると、無表情で佇んでいるだけ。

誰かのイタズラだろう。
たぶん、ギルドの誰かを担ぎ、僕をからかっているのだ。
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