カジュアルロンド
見舞いに行ったその日にカナから連絡はこなかった。

携帯が壊れたと言っていたし仕方ないかと、自分を慰める。
病院まで行ったことをカナがどう思うのか、それが気になる。

次の日の朝。
新宿で自主映画の撮影に参加した。

カナモリが脚本・監督で、僕はチョイ役。
大学のサークル男5人で短編を撮った。

撮影を終え公園のベンチで昼弁当を食べていると、 

「明日の映画楽しみ♪」

サヤのメールを覗き見したカナモリが、彼女の真似をしてチャカしてきた。

合コンの日以来、サヤから毎日メールが届くようになっていた。
おはよう&おやすみの挨拶、些細な出来事まで送ってくる。
僕も丁寧に返事を返すと、すぐにメールが返ってきた。 

サークルの連中が、彼女できたのかと興味津々に尋ねてくる。

カワイイのか?
ヤッタのか?
卑猥な攻撃に、僕は照れながら、友達だよと強調した。
まるでせかすように、次のデートで押し倒しちまえなどと冗談を言ってくる。

「サヤちゃんはお前に惚れたな。綺麗だし、素直そうだし、もったいない」

カナモリが笑いながら言った。
なんだか複雑な心境で僕は笑うしかない。
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