【完】先輩◆同級生《隣の席の不思議な王子》
「あ…キヨちゃん。」



ドアを開くなりキヨちゃんは荷物を地面にポスっと置く。



私と旭のスクバと、この汚い緑色のエナメルバッグは…。



「あ、俺のも持って来てくれたんすか?眞木さんありがとう。」



どうやら石葉君のバッグらしい。



「ん?これから友達になろうと思ってる人にさんはおかしいか。」



石葉君はキヨちゃんを見ると、ピーッと頬に伸びた笑窪を全開に見せて笑う。



「これからって……?」



階段から落とされたショックで口数が減っていた旭が、石葉君に尋ねる。
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