サクラ咲ク


懐かしい。



込み上げる感情や感覚は、
ゆっくりと渦巻いて、
小さく震えた。



真正面から竹刀をおろしてくる土方さんを見て、素早く後ろに回る。




「な……っ!?」




驚いた土方さんの声を頭の片隅に捉えながら、今度は私がまっすぐ竹刀を振り下ろす。




「…人並みには、できるみてぇだな。」






私の竹刀を受け止めて、にやりと笑うその瞳を見て、やっと本気になった、と思った。






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