サクラ咲ク
「実は左之さんな、昔、上官と喧嘩をして『腹を切る作法も知らぬ下司め』みたいなこと言われたらしくてさ、短気を起こして本当に腹を切って見せたんだってさ。」
「それだけで…ですか…」
「そっ。まぁ、傷は浅かったから命に別状は無かったんだけどね。その傷から、『死損ね左之助』って隊内でアダ名されてんだよ。」
「あははは…」
凄い行動力ね、と少し感心するけど、本当に死んだらどうするつもりだったんだろう…
「てめぇらみてぇなヤワなとは違うんだ。俺の腹は金物の味を知ってるんだぜ」
なぜか得意げに笑う原田さんを横目に私は少し溜息をついた。
「…なんか、深刻に考えた私が馬鹿でした。」
「はぁー!?ちくしょー…なんで誰も俺の武勇伝に感動しねぇんだよ…」
ブツブツ言いながら差っていく原田さんの後ろ姿を、藤堂さんと顔を見合わせて笑った。
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