サクラ咲ク
「…落ち着け、総司。」
「答えて下さい、土方さん。なんで止めたんですか?まさか私が負けるとでも思ったんですか?」
淡々とした口調でそう言った沖田さんに、土方さんは溜息をついた。
「負けはしねぇだろうよ。」
「じゃあ何故…」
「…あのままじゃお前、こいつ殺してただろ。」
殺してた…?
真剣でもないのに、そんなオーバーな…
そう思うけど、さっきの冷たい瞳を思い出して、的外れではないと思い直す。
「暴走してんじゃねぇよ。瞳孔開いてんぞ。落ち着け。」
土方さんが呆れたように笑いながら沖田さんの頭を小突いた。
それをきっかけにか、沖田さんの顔に表情が戻ってきた。
「一番隊は少し遅くなったが昼餉を取って午後の巡察に行くように。総司は書類があるから俺と一緒に来い。」
それだけ言って土方さんは沖田さんを連れて道場から出て行った。
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