王子と姫が出会いました。
沈黙が流れてしまい、あたしの空気を読んだ努力はムダになった。



「好きなコ、コレ」

「姫ちゃん…が?」

「一応元カノ。で、俺は引きずって引きずって、アホみたいに悩んでます」

「元カノだったの!?姫ちゃん、なんで教えてくれないの!!」



言えるような雰囲気じゃなかったし…。



言ったらなんだか恐ろしいくらい反感買いそうだったから…。



「結局あたしらは何しにきた感じかな…?」

「うちのデザイナーと合コンする?かなり給料もらってるし粒ぞろい」

「マジ!?じゃあ連絡して~!!」



この場を丸く納めた王子君をすごいと思った…。



ここはファミレスより高いイタリアンレストラン。



『あたし達お邪魔みたいだから帰るね~!!』



上機嫌で帰ってきたコ達…。



ふたりに…なってしまいました…。



「おい」



ドスの効いた声が脳に響き、一瞬ビクッとなってしまった…。



視線を向けると不機嫌極まりない王子君…。



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