死に神ゲーム
後ろには雅人がついて来ており、もう勝手にしてくださいという感じになった。
毎度毎度こんな感じになって結局一緒に帰ることに。
「はぁ・・・ン?」
ふ、と視線を感じた私は落としていた視線を上げ玄関へと向ける。
そして進めていた足をピタリと止め固まった。
「どーしたんだよ雫?」
急に足を止めた私を不思議に思った雅人が隣に並ぶ。
だけど私は何も反応せず、ただじっと視線の先のモノを見つめる。
「・・・誰だアイツ?」
雅人も私の視線の先を見たのか、訝しげに呟いた。
「こんにちは」
私の視線の先の・・・彼は微笑みそう言った。
「こ・・・んにちは・・・」
そう、言うのがやっとだった。
だって、それほどまでに目の前にいる彼は、かっこよかった。
隣にいる雅人よりも背は高いだろう。
入口から入ってくる風に靡く黒髪はサラサラとしており、白すぎず黒すぎない肌色は遠目でも綺麗だと言いきれる。
そして何より私の心を奪ったのは、切れ長の瞳の色。
私と同じ・・・灰色の瞳。