死に神ゲーム



「デザイン科の滝本雫さんでしょ?」




「う、うん」





ゆっくりとコチラに近付いて来ながら問いかけてきた彼に、私は何故名前を知っているのかと戸惑いながら頷く。


心地好いその声は、ずっと聴いていたいと思ってしまう。




「お前、誰なんだよ」





ずいっと前に出て来て彼に問いかけた雅人。


ぶっきらぼうな問い掛けに、彼は機嫌を悪くすることなく答える。




「別に怪しい者じゃないよ。此処の大学の心理学科三年、鍵蔦羽睦月(カギツタバムツキ)っていうんだ」




かぎつたば?
変わった苗字だなぁ・・・。




「あの、なんで私の名前を知って?」




問いかけるとニッコリと笑った鍵蔦羽君。



「なんでって、滝本さん可愛いから」




「かわっ!?///」





可愛いなんて言われ慣れてない私はカァッと熱くなったのを感じた。


しかもこんなカッコイイ人に言われたらなおさらだよ。




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