死に神ゲーム





「ちょっと待ってよ!」



「ん?」



「ケーキバイキングじゃなかったの!?なんで駅に・・・」






さっさと私の手を引いて駅へと歩いていく雅人。


ケーキ屋に行くのに電車は使わない。






「あれはね、嘘!」



「はあ!?」



「あーでもしなきゃ、雫外に出なかっただろ?」






それはそーだが・・・。






「あのタダ券は?」



「あれ、期限切れちゃったんだよね」



「・・・・・・」






悪気なく笑いながら言った雅人に呆れて何も言えない。


もうここまで来たら家に引き返すのも億劫だ。






「・・・で、今は何処に向かってるの」


「遊園地!雫、遊園地も好きだろ?」






頷く事が出来ない。

確かに好きだったが、プラントランドに行ってからは答えに迷ってしまう。






「ほら、行こうぜ雫!」


「!ちょ、引っ張らないでよ」






なぜだかいつもよりテンションが高めの雅人。

どーしたんだ?






「(まあ・・・いっか)」






思わず笑みが零れてしまった。




< 83 / 90 >

この作品をシェア

pagetop