青空のむこうに~バスケに恋して~
でもここで引き返したところで何も終わらない。
私は深呼吸をすると、扉に手をかけて、ゆっくりと開けた。
扉の向こう側はもうすぐ夜明けを迎えようとしていた。
空が少しずつ明るくなっているのがわかる。
朝焼けっていうのかな…。
まだ、そこまでは明るくなってないけど、薄紫色の空が少しずつ広がってきてる。
ってか、ここの眺めがすごくきれい…。
そういえば、私、夜明けを見るのって初めてかもしれない…。
「…ゆず…さん…?」
柵に手をかけて東の空を見つめていた私の背後から声がした。
誰かが重い扉を開けて確実に入ってきてる。
「…モル…くん…?」
私は振り向きもせずにそう問いかけた。