青空のむこうに~バスケに恋して~
「…そうです。初めまして…」
「初めまして…」
怖くて振り向けない。
初めましての挨拶をかわすけど、私はこの声を知ってる。
聞き覚えのある声に私の心はドキドキが止まらなかった。
「…なぜオレを…?オレはもう役目を終えたから身を引いただけ。それなのに…」
「今の私がいるのはあなたのおかげだから…。私だけが幸せになるっていうのはできない…」
「…身を引いた事が何で不幸なんだよ…?」
…え?
「オレはもうゆずには必要のない存在なんだ。だから、自分から存在を消した。それでオレは幸せだったんだよ」
「…!」
存在を消して幸せだった…?
私は確信を得るためにクルッと振り返った。
暗くてハッキリと表情は見えないけど、そこにいる人が誰なのかはわかる。
「…どうして…?何であなたがモルなの…?」
「何でって言われても困る。オレがモルなのは事実だから」
そこに立っていたのはケータイの待受画面を表示させているトージだった。
私と同じ待受画面の画像…。