青空のむこうに~バスケに恋して~
「間違いメールを装って、オレはゆずにメールをした。思ってた通り、ゆずのバスケへの傷は相当深いものだった」
「…なんでそういう回りくどい事したの?最初からトージの名前でよかったじゃない…」
「お前、最初からオレの名前で送って返事くれたか?経験者のモルにさえ、私の気持ちなんかわからないって態度してただろうが。県内トップの学校のバスケ部所属してるオレが送ったところでどうにもならないだろうが」
「そうだけど…」
じゃあ、何で付き合い始めた時に言ってくれなかったんだろう…?
「…オレも、あの頃は嫉妬で嫌がらせを受けてた。バカな事してら~ってオレは流してたけど、ゆずの立場からしたら些細な事でも傷ついてるんだろうなって思って、放っておけなかった」
「…」
「オレとあのコートで会ってから、モルの存在を自然に消してくれると思ってた。だからオレは言わなかったんだ。まさか、そんなにゆずの中で大事な存在になってるとは思わなかったから…」
「…大事だよ。だって、私に光をくれた人だもの…!」
「…ハッキリ言って複雑だった。どっちも自分なのに、ゆずはモルの方を大事にしてるってのがわかったから、だからサヨナラのメールを送った」
…トージは自分がモルである事を言いだせずに悩んでたって事…?
だったら私はそこにも気づけないで、トージをただ苦しめてたの…?
「…ゆず。モルとしてのオレは本当に幸せだったんだ。でも、モルではなく星崎統次としてゆずと出会ってから、それ以上に幸せだった」
モルは不幸なんかじゃなかったのね…?
トージが作り上げた存在を消すために…去っただけだったんだ…。