そして悪魔は二度微笑む【コラボ】
「では……。第二ラウンドと行くか」

ベリルが、DE-1の目を狙いP226──ベリル愛用のハンドガン──の引鉄を引く。

三連射で放たれた弾丸は、寸分違わず瞼を穿つが、その分厚い皮膚を貫通する事は出来ない。

実戦の最中でのワンホールショット。

貫通は出来なかったが、DE-1が僅かに苦痛の声を上げた。

直後、ベリルに向いたDE-1の背後から蓮城麻美のリボルバーが火を噴く。

ドンッ!

着弾の瞬間特殊な火薬を仕込まれた弾丸が、小さな爆発を生む。爆発の威力にDE-1の体が傾いた。

そこに走り込んだベリルが、レーザーカッターの柄を振りかぶる……。

だが、傾いたまま放たれたDE-1の拳に、位置が上手く取れずにバックステップで距離を取った。

「そう、簡単にはいかんか」

DE-1は、離れるベリルを後目に強力な一撃を放った蓮城麻美を睨みつけると、暴力的なスピードで肉薄する。

直線軌道から放たれる右ストレート。

それを彼女は、沈み込んで交わす。

麻美の頭上を通り抜けた拳は盛大な音をさせて、壁にめり込んだ。

「調子にのるなぁ!」

壁の破片が飛び散る中、銃口を真上に向けて引鉄を引く。

放たれた弾丸は、アッパーカットの要領でDE-1の顎にヒットし、爆発を生む。

そのまま麻美は、白衣で体を隠しながら転がり、距離を取った。

続けて、仰け反るDE-1の肩にベリルの放ったナイフが突き刺さる。

DE-1が苦悶の表情で刺さった箇所を見やると、ナイフの先端に粘土状の物体が付けられている。

直後、ベリルの放った弾丸が、粘土状の物体──プラスティック爆弾──に取り付けられた芯管を貫く。

ボォォォォォン!
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