年上王子様とのアリエナイ××①
「翔さんって優しかったんだ」
「なに?今更気がついたわけ?」
こんなやり取りも久しぶりでうれしい。
「でも我慢が出来なくなるときだってあるんだ。
だから君からのアプローチはかなり困ったよ」
クスっと笑う翔さん
急に恥ずかしさがこみ上げてくる。
翔さんんは知ってたんだ、全部。
「それに」
そこまで言いかけた時、急に携帯が鳴り出した。
「ごめん」
断りを入れて電話に出る翔さん。
でもその間もあたしを抱きしめてくれる。
「あぁ、すみません、はい・・」
翔さんが敬語で話すってことはお仕事の事かな?
そう思って離れようとするあたしに
翔さんはがしっとあたしを抱きしめたまま手を離さなかった。
それが嬉しくて
甘えてしまう。
「え?柚子をですか?・・分かりました。いえ大丈夫です」
あたし?
どうしてあたしの名前が出てくるんだろう?
不思議に想っていると電話を切った翔さんが
「柚子すぐに出かける用意して?」
急に言い出す。
「え?どうして?」
「おじいさんに・・社長に君を紹介するよ」
真剣な眼差しであたしにそう告げた。