コーヒー溺路線
 

「暑い……」
 


 
彩子がプリンを食べ終えて再びコーヒーを堪能していると、背後から靖彦の気の抜けた声がした。
早めに風呂を出たらしいが靖彦の顔も体も真っ赤である。
 


 
「ご飯はどうする?食べられる?」
 

 
「そうだな、少しは食べないとまずいからうどんとか、あっさりした物がいいな」
 

 
「解った」
 


 
靖彦は再びソファにぐたりともたれた。
そんな靖彦を一瞥すると彩子は冷蔵庫よりうどんの麺を取り出した。
 

靖彦という男はとても少食だった。
本人はあまり食べなくても平気らしいが、靖彦に倒れてもらっては困るため彩子はあっさりしていて栄養の取れる食事をと努力している。
 


 
「あっ、直ぐに出来るんだからソファで寝るのは止めて」
 

 
「あれ、ああごめん」
 


 
仕事で疲れた靖彦はどこでも直ぐに眠ってしまうので要注意である。
 


 
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