妖怪外伝百鬼夜行
「東先輩……!」
癖の強い黒髪、整った顔立ち。仏頂面の彼がそこに立っていた。
彼の視線は、一つの者に釘づけになっていた。
「烏丸先生、なんですか、それ」
視線の先は烏丸の背中に生える黒い翼。また、正体がばれてしまった。
「…………」
烏丸は黙る。鳥介はそのまま足を進める。そして三人の目の前に椅子を出して座る。
じっと三人を見据えていた。
「今は9時。警備員はもう帰った。……そんな時間に、三人で何やってんの?」
冷たい声がする。彼は微笑みもせず、仏頂面のまま三人をただ見据える。
そして千夜は、その視線に負けて事情を話した。
烏丸が烏天狗である事、それを口外しない条件で七不思議の調査を頼んだ事。
そのすべてを話した。千夜の話を横で聞きながら、烏丸は自分の間抜けさに胸中で毒づく。
今日という日は、最悪だ。
二人の人間に正体がばれてしまった。そして厄介事にも巻き込まれた。
千夜も鳥介も他人に話さないという保証はどこにもない。
「……面白そうな話だな。宮川、俺もちょっと混ぜさせろ」
「へっ?」
話し終えたときには、なぜか鳥介は乗り気になっていた。突然の申し出に、千夜は戸惑うが、鳥介はじっと千夜を見据えていた。表情は半分笑っている。
「あの、でも……」
「堅いこと言わずに頼む」
さらには千夜の手を握る。元から鳥介に対して憧れを抱いていた千夜の顔は真っ赤に染まり、
「ハイッ!」
勢いよくOKしてしまった。
癖の強い黒髪、整った顔立ち。仏頂面の彼がそこに立っていた。
彼の視線は、一つの者に釘づけになっていた。
「烏丸先生、なんですか、それ」
視線の先は烏丸の背中に生える黒い翼。また、正体がばれてしまった。
「…………」
烏丸は黙る。鳥介はそのまま足を進める。そして三人の目の前に椅子を出して座る。
じっと三人を見据えていた。
「今は9時。警備員はもう帰った。……そんな時間に、三人で何やってんの?」
冷たい声がする。彼は微笑みもせず、仏頂面のまま三人をただ見据える。
そして千夜は、その視線に負けて事情を話した。
烏丸が烏天狗である事、それを口外しない条件で七不思議の調査を頼んだ事。
そのすべてを話した。千夜の話を横で聞きながら、烏丸は自分の間抜けさに胸中で毒づく。
今日という日は、最悪だ。
二人の人間に正体がばれてしまった。そして厄介事にも巻き込まれた。
千夜も鳥介も他人に話さないという保証はどこにもない。
「……面白そうな話だな。宮川、俺もちょっと混ぜさせろ」
「へっ?」
話し終えたときには、なぜか鳥介は乗り気になっていた。突然の申し出に、千夜は戸惑うが、鳥介はじっと千夜を見据えていた。表情は半分笑っている。
「あの、でも……」
「堅いこと言わずに頼む」
さらには千夜の手を握る。元から鳥介に対して憧れを抱いていた千夜の顔は真っ赤に染まり、
「ハイッ!」
勢いよくOKしてしまった。