妖怪外伝百鬼夜行
鳥介を加えた四人での調査となった。
調べた七不思議は二つ。残りは分かっている物で四つ。
開かずのシャワー室、トイレの花子さん、嘆きの声、蒼い火紅い火。この四つ。
場所が特定されているのは二つだけ。まずはここから近い開かずのシャワー室を探ってみよう。
階段をまた四人は降りる。警備員が帰った今では警戒心を解いてもいいはず。
だがこの七不思議を引き起こしている人物がいる可能性があり、さらに鋭く周囲の音や動きに気を配らせる。
ゆっくりと歩み、理科室の前を横切ったとき、声が聞こえた。
――ごめんなさい……
「!」
――私のせいで……ごめんなさい……
女の声が聞こえてきた。
謝り続ける女の声。涙に震える女の声。
「お姉ちゃんッ!」
千夜が思わず叫んだ。
その瞬間、声がピタリと止まった。そして走るような足音が聞こえてくる。
こちらに近づいてくる。即座に四人は理科室へと入り、息をひそめた。
――コツ、コツ……
足音はゆっくりと近づく。あたりを見回し、人を探す。
その間にずっと四人は息をひそめていた。見つかったら、終わり。
直感的にそう感じて、ぐっと息を殺した。
――コツ、コツ……
足音が近づいたり遠のいたりを繰り返す。
何度も何度も、しつこくあたりを探し回る足音。気が狂いそうになる。
どれほど長い間こうしていたのかは分からない。
足音はやがて諦めたかのように遠のいていった。
調べた七不思議は二つ。残りは分かっている物で四つ。
開かずのシャワー室、トイレの花子さん、嘆きの声、蒼い火紅い火。この四つ。
場所が特定されているのは二つだけ。まずはここから近い開かずのシャワー室を探ってみよう。
階段をまた四人は降りる。警備員が帰った今では警戒心を解いてもいいはず。
だがこの七不思議を引き起こしている人物がいる可能性があり、さらに鋭く周囲の音や動きに気を配らせる。
ゆっくりと歩み、理科室の前を横切ったとき、声が聞こえた。
――ごめんなさい……
「!」
――私のせいで……ごめんなさい……
女の声が聞こえてきた。
謝り続ける女の声。涙に震える女の声。
「お姉ちゃんッ!」
千夜が思わず叫んだ。
その瞬間、声がピタリと止まった。そして走るような足音が聞こえてくる。
こちらに近づいてくる。即座に四人は理科室へと入り、息をひそめた。
――コツ、コツ……
足音はゆっくりと近づく。あたりを見回し、人を探す。
その間にずっと四人は息をひそめていた。見つかったら、終わり。
直感的にそう感じて、ぐっと息を殺した。
――コツ、コツ……
足音が近づいたり遠のいたりを繰り返す。
何度も何度も、しつこくあたりを探し回る足音。気が狂いそうになる。
どれほど長い間こうしていたのかは分からない。
足音はやがて諦めたかのように遠のいていった。