二 億 円
オカシイオカシイオカシイ
この人どうかしてる。
人間に首輪?永遠に?
一生、誰にも会わず、この屋敷でペットのように過ごさなくてはいけないの?
「……嫌。」
「ひなた?」
「嫌。気安く呼ばないで。」
絶対に嫌。こんな所で過ごすなんてできない。
「…なんと、言いました?」
「嫌。ここから出して…こんな、こんなところ…っ!!」
言葉は閉ざされた。
いや、発することができなかった。
無表情の彌生が、私の首に手を当てる。
「ぐるしっ…かはっ!」
にこり、と笑い、力を込めていく。
「し、死ん…じゃ、う…」
「私に逆らうのなら死ねばいい。
死ぬか、従うか、
選びなさい、ひなた。」