恋迷路〜マイゴノコイゴコロ〜
「…よかった。…迷惑かな、とも思ったんだけど。」
「全然そんなことありません!」
…正直、温かい優介先輩に、私はホッとした。
安心した。
今は、優介先輩の優しさがすごく染みた。
「…隣、いい?」
先輩が、すこし遠慮がちに私に言う。
「っどうぞどうぞ!」
私もあわてて返事する。
優介先輩が隣に座った瞬間、ふわりと熱が伝わった。
心なしか、優介先輩の体温があったかい。
「先輩、どうやってここに来たんですか?」
歩きなら、体もあったまるのかもしれないけど…。
「あ〜…自転車。」
「え…近所なんじゃ…。」
「…今日は自転車の気分だったんだ。だから、自転車。」
「…ふふ。自転車の気分ってなんですか。」
自然と、笑みがこぼれていた。
「笑わないでよ…。恥ずいじゃんか…。」
少しだけ顔を赤くして、優介先輩は私を見た。