青春はこれからだ!!
キィーンクゥヲォーンクゥワァンクゥヲォーン

昼休みのチャイムがいつもより長く思える
憂鬱だ…
大切な時間が
訳の分からん演劇の練習とやらに
潰される
それだけでお弁当が喉を通らない
元々、根がきっちりしているせいか、
俺は学力コンプレックスであった
気にしないようにしているが、
勉強は出来るだけ続けたい
ましてや、もう夏が過ぎたのだ
いろいろ試験が多い時期に演劇は辛い
今頃、部活やってる三年生はいるのか?
いや、いるだろうし、
俺は部活じゃない訳だが…

「ふみちゃん、
さっきから全然食べてないじゃん」

「要らねぇなら
佐野の弁当は
この天下の宮本が食ってさしあげよう!!」
「宮本?」

小沢がじろりと睨み付けると
宮本は「悪かったよ」と自分の飯を口もとによせる

「ふみちゃん、食べないとダメだろ?」

「基本的人権の尊重…」

「ちょ!!
何小学生の良いわけしてんの!!」

そう言われてもな…
俺はしばらく黙り込む
ビビーンと頭の中にイメージが浮かぶ

「お茶漬けが食いたい。」

「…佐野くん」

どうやら小沢を怒らせたようだ
急にたちあがり
食べかけのカレーパンを
俺の口に強引につめこむ

「げほっげほっ」

むせた

「これでよしb」

どこかで見たことのあるようなバカが
親指を立て、ニコニコと俺たちに向ける
よしじゃないだろう!?

「よしじゃねーだろ!?」

宮本が突っ込みを入れる
宮本よ…
俺の気持ちを代弁してくれてありがとな
生まれて初めて宮本に感謝した
俺が宮本に感謝する日はこれが最初で最後だろう

「おぃ、佐野
また松村のことか?
確か今日だっけぇ?」

俺がうなずく

「うむ。
そんなときはさぼろうじゃないk―」

宮本がそういいかけたとき、
ガタンと教室のドアが開く

「佐野くんっ
遅いじゃないかーw」

運が悪いことに
サボる話の途中に
丸眼鏡が少し(どころじゃないが)ずれている新人教師頑張るもんっ♪先生が来たよ

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