Love Water―大人の味―




―――――――――……




部長に手を引かれて着いた先は、数十分前までいた会社だった。



もうほとんど社員は残っていなく、警備員の人だけがフロアを見回っている。



エントランスを入ってすぐのロビーにあたしを座らせた部長は「すぐ戻る」と言ってどこかに行ってしまった。



1人取り残されたあたし。



もう涙はすっかり止まって、しん…と静まり返ったロビーが、やけに冷たく感じた。



昼間はあんなにたくさんの社員が闊歩しているのに……。



それにしても、部長はどこに行ったのだろう。



食事に誘われたはずだけど、まさか会社に連れて来られるとは思わなかった。



ふぅ、と息をつく。




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