Love Water―大人の味―
なんて言い訳しよう。
バカ正直に部長を待っています、なんて言ったら、こんな時間だし意味深に聞こえちゃいそうだし。
下手な嘘をついても墓穴ほっちゃいそうだし。
うーん、と悩んでいると矢野君がとんでもないことを言った。
「誰も待っていないなら、俺、雨衣さんのこと送っていきたいんですけど」
「えっ!?」
びっくりして彼を見れば、神妙な顔をしている。
「わ、悪いしいいよ……」
手を振って応えるけど、矢野君はさらに詰め寄って言った。
「俺が送っていきたいんです」
「………………」
真っすぐな瞳に見つめられると、困る。
さっきの駅での部長の顔と矢野君の顔が重なる。
どうして2人とも、あたしを困らせるようなことを言うのだろう……。
矢野君から目をそらして、視線を俯ける。
………もう、いやだ。